淡水 海底 譚

9/27,29 (Ⅴ,Ⅶ) 第7研究班の特異達

システムがダウンし淡く白い世界が消え、無機質な灰色のタイルへと戻る。 どこまでも続いているように見えていた空間も四方を壁で囲んだだけの部屋へと戻っていた。そこへ、少女が緩やかになびく黒髪を乱しながら、扉を壊すほど強く押し開けて 怒声と共に入…

陽だまり(プロローグ)

気付けば淡い光の中で泣いていたのは自分だけで、何も無い空間のなか佇んでいた。 手に残る微かな暖かさに何故かまた涙がこみ上げてくる。泣いている理由も、ぽっかり失ったこの胸にある喪失した感情も、大事であった、大切であったということ以外 分からな…